イーハトーブの野菜たち

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私たちが、農薬の使用をやめてから7年がたとうとしています。
有機というにはまだまだかけ出し、でもこの7年ひとつひとつ確かめるように積み上げてきたささやかな歴史と思い出があります。

てんとう虫の話
初めて無農薬(土壌消毒無し)でオクラを植えた年。そりゃあみんな心配してね。
収穫まで行き着かないよ、とか子供もいるのに何考えてんだ路頭に迷うぞ、とか。今思うとホント心配してくれてたんだよね。
でも、とにかく使わないって決めたからには使わない。
種を播いて一月もたたないうちに問題はやって来た。アブラムシ。
うすみどりの葉っぱの裏にポツポツ、2,3日するとベターと一面に広がった。
慌てたね、どうしたらいいのか経験が無いんだから。
いつもだったら、サーと薬散して様子を見るんだけど、おたおた、おろおろ。やっぱり無理なのかな、と少し弱気になったりして。
あっちこっち電話もかけまくって「何か手だてはないものか」って、その時、一人の先輩農家が「おまえら、薬散しなかった野菜が最後どうなるか見たことあるか」
と言った、「何にもしないでとにかく最後まで見届けてみろ。」
 
私たちは、その日からただ畑のわきでオクラを観察するだけの毎日が始まった。
毎日、行って葉の裏を覗いて。
アブラムシが最高に増え、葉も縮みはじめた頃、別の変な虫までやって来た。
「もうだめだ。」そう思いながら、さらに2,3日、すると葉の裏はてんとう虫の大群!
やがてアブラムシはいなくなり、その後てんとう虫もいなくなっちゃった。あの黒くてぎじゃぎじゃした変な虫はてんとう虫の幼虫だった。
不思議な物を見た気がしたね。
今まで防除と思ってやって来た自分たちの作業は、自然のサイクルを寸断してたにに過ぎないんだって、気づいて愕然としたね。
オクラ?もちろん大丈夫。見事に育って収穫も追われた追われた。

いまでも、てんとう虫は畑の土手にいつもいっぱい出番を待っているし、私たちは「おるおる」と土手をのぞきながら、植え付けに追われる。
後は、人間がどの野菜が普通の野菜の姿なのか、とれる量なのか畑や苗に無理をさせない事かな。と今思う。
食べる人にも、土のついた、時には大きくなりすぎた、形も様々な野菜たちを見て欲しいな。袋に入ったお行儀のいい野菜だけが野菜じゃないって。

イーハトーブの野菜って、種を播いた後は畑任せの野菜たち。だから畑の状態が野菜に大きく影響してくる。当然、虫の量も。

もう一つ、絶対季節はずれの物は植えない。これはイーハトーブの鉄則。
夏の物は夏に、冬の物は冬に。だから寒さが来れば味がのってくる、色も鮮やかになってくる。夏の太陽が照れば、日ごとに味も変化してくる。
その微妙な変化を感じたときは、「百姓やっててよかった」てね。
イーハトーブの野菜たちってそんなところからスタートしたんだ。その思い出は宝物だね。その時の気持ちを忘れずに野菜を作り続けていきたいと思う。

                                   義秋  紀子




     



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