田舎と季節のある暮らし  〜あぜ道のある風景2011〜




            
                  
  第1話 春よ来い。早く来い。

 春よ来い。早く来い。と思い続けた二月。ちょっと暖かさが増すと後は加速するように四月が近づき、生活が大きく変化した方も多かったことでしょう。私こと山脇紀子もまた、共済新聞の仕事をお引き受けし、スタートの春となりました。これから一年、南薩摩の片田舎頴娃の町から「あぜ道のある風景」を綴ってまいります。どうぞ仕事の合間の頭休めに読んでやってくださいませ。
 
さて、私がどんな人物かと申しますと、何の変哲もないさつま芋や人参を栽培する農家の主婦でございます。生まれは東京オリンピックの前年1963年、夫は東京タワーが完成した1958年。田舎の方にはまだ店屋も少なく移動販売車に牛乳・ソーセージ・さば缶の食品やちり紙・石鹸といった生活雑貨と子どもの駄菓子を数種類積んで売りに来ていた時代。その光景を覚えている二人がひょんなことで出会ったのが1983年。場所は県立農業大学校。今のあの最新式の農大ではなく、どの学部も古い学生寮と赤い公衆電話が懐かしい、かつての農大です。デビュー間もないサザン・オールスターズが歌い、トップアイドルに駆け上がる松田聖子が連日テレビの中にいました。
 
あれかからほぼ三〇年、いまだに在学当時と変わらず二人揃って畑仕事に出ており、桜が咲くと「今年も新しい一農年が始まる」と思うのは学生時代の気持ちの名残かもしれません。その二人には子ども達が五人、有機農業へ転換、農家の主婦がネット販売を始め、ついには菓子製造に踏み出すやら、飽きる暇のない年月を過ごさせてもらっています。さてさて紙面がつきました。続きはおいおい。皆々様の春が希望に満ちた喜びの春でありますよう。それでは今回はこれにて。


                 農業共済新聞鹿児島版  2011.04.06掲載



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